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あれから1年。被災地の移動図書館は今・・・

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おひさしぶりです。ブックオフオンラインのキクタニです。

昨年の夏に立ち上がりました、シャンティ国際ボランティア会さまの
「いわてを走る移動図書館プロジェクト」

東日本大震災の津波で深刻な被害を受けた岩手県沿岸部の仮設住宅に
「読みたい本を届ける」というこの活動を、ブックオフオンラインとして
在庫の提供や支援プログラムの実施という形で、お手伝いしてまいりました。

特に支援プログラム「本を売って被災地の移動図書館を応援しよう」では
「本を売って、読みたい本を届ける」という主旨に多くの皆様からご賛同いただき
現在までに7,000冊以上の本を現地に届けることができました。

震災発生直後、全国の皆様からの善意で、被災地の各避難所へ
膨大な冊数の本が届きましたが、現地の方々が読みたい本とマッチせず、
そのままお蔵入りになったケースも多かったようです。

「読んでほしい本」イコール「読みたい本」とは限りません。

そのため、立ち上げ時には被災地のニーズを直接感じるために、
活動への参加もいたしました。
現地の方々のリクエストを尊重するため、本をそのまま送ることはしない、
というスタイルで現在も続けております。

あれから1年。

皆様から「まだ移動図書館活動は続けていますか?」「現地の状況は変化しましたか?」
というお問合せを定期的にいただいております。
この1年の変化と推移を、振り返りながらご報告させていただきます。

◆運行状況について

当初、土日のみの運行でしたが、平日も含めた週3回の運行ができる週も増えております。
運行エリアの陸前高田市、大船渡市、大槌町、山田町それぞれの中で
新たに「ウチにも寄ってほしい」と運行の要望が来る仮設住宅も多く
訪問する箇所はどんどん増えている状況です。

ご利用の増加に対応すべく、貸し出し冊数も、1回あたり「3冊まで」としていたのを、
「5冊まで」に拡大しました。今後も順次、拡大の予定です。

◆移動図書館車

当初は軽トラックに本を載せて運んでいましたが、現在は正式な移動図書館車
運行することができるようになりました。
軽トラックは1台に500冊くらいの積載が精いっぱいでしたが
正式な移動図書館車には1,500~2,000冊くらいを積むことができます。

1日にまわる仮設住宅団地は3~4ヶ所になります。
かつては、「1ヶ所目・2ヶ所目で貸し出しすぎて、3ヶ所目・4ヶ所目で本棚がスカスカ」
という状況もありましたが、おかげさまで改善されつつあります。

移動図書館車

◆現地で求められている本

昨年レポートさせていただいたとおり、震災から半年くらいの間は
気分を落ち着かせ、没頭できるような「手芸、編み物の本」などが人気でした。
現在も、リクエストは高い傾向にあります。

震災から1年が経過する頃から、傾向にやや変化が見られだしました。
それは、かつては避けられていた「震災の本」「津波の本」などです。

東日本大震災の発生当日は、避難先でも電気が通じず
被災された方々は、もっぱらラジオでしか情報を確認できませんでした。
「あの日、我々に何が起こったのか?」を知りたい・・・というご要望が
この春先から着実に増えだしております。

ある程度の気持ちの整理がついて、震災関連の本を読みたい方もおられますし、
逆に読むことによって気持ちの整理をつけたい方もおられるのかも知れません。

さらに今年に入ってからの傾向としては、実用的な本のニーズが上昇中です。

仮設住宅からお仕事に向かわれる方もおられることから、
ビジネス関係の本が人気となってきました。
「起業」「開業」関連もリクエストを多く受けます。

また、仮設住宅を出て家を建てようと「土地」「建物」「法律」関係のニーズも
高まってきているようです。

自治体による街づくりの動き自体が、遅々として進みが鈍い中で
仮設住宅での暮らしは、まだまだ終わりが見えない状況にありますが
被災地からのニーズは、季節を追うごとに変化を続けています。

求められる本の内容は、そのまま被災地の状況を映しているかのようです。

最近は、この活動のご支援がしたいと学校や企業からのお問合せを
いただく機会が多くなってまいりました。

「校内や社内で義援金を何度か集めているが、世間の報道も少なくなっており
義援金の集まりが悪くなってきている。支援先や使い道を指定した応援がしたい」
とのご要望により、「本を売って被災地の移動図書館を応援しよう」
CSRプログラムの一環としてご参加いただくケースがよく見られております。

◆そして、移動図書館活動は「第2章」へ

今後もますます拡大し続ける「いわてを走る移動図書館プロジェクト」。

いままで、岩手県外のエリアからも運行のご要望はございましたが
体制が整うまでお待ちいただいておりました。
そして1年経ったこの秋、ついに移動図書館プロジェクトは
「宮城県・福島県」への運行を開始いたします。

津波の被害で土地のほとんどが水没し、復旧がままならない宮城県の山元町
長らく立ち入りが制限され、今も瓦礫が残される福島県の南相馬市宮城県・福島県

両エリアを中心とした、新たなる活動のスタートです。
岩手県とはまた違った環境、事情をクリアしながら、立ち上げには大きなエネルギーを要します。

ブックオフチェーンでは、社会貢献プロジェクト「BOOKS TO THE PEOPLE 2012」でおこなう
被災地支援の一つとして、この移動図書館活動を立ち上げ段階から在庫面、設備面のみならず
人的な支援を中心に、全社あげて取り組んでまいります。

運行の開始は10月頃からの予定ですが、開始後はブックオフチェーンの社員から募集した
ボランティアメンバーを継続的に現地に派遣し、運営のお手伝いをさせていただきます。
長期を見すえた支援体制となりますので、しっかりお役にたてるよう進めてまいります。

まずは何よりも、立ち上げることが先決です。
この9月が勝負の月といえます。準備することは、山ほどあります。

今週以降、何回かにわけてブックオフの選抜メンバーで
立ち上げのお手伝いに現地へ伺ってまいります。
私も隊長として向かいます。
岩手とは違う未知の部分も多いかと思いますが、随時、状況を皆様にもご報告してまいります。

今後とも、幅広いご支援をよろしくお願いいたします。

◆「本を売って被災地の移動図書館を応援しよう」 ご参加はこちらから


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